郵便料金値上げの法人向け対策5選。郵送コスト削減の具体策と2026年以降の備え。

郵便料金値上げの法人向け対策5選|郵送コスト削減の具体策と2026年以降の備え

郵便コストの上昇が止まりません。
2024年10月の郵便料金改定では、定形郵便が84円→110円(+31%)、通常はがきは63円→85円(+35%)と約30年ぶりの大幅値上げが実施されました。仮に、月5,000通を発送する法人では年間約156万円のコスト増となり、さらに2025年11月のゆうメール改定、2026年4月の大口特約ゆうメール値上げと、郵送コストの上昇は今も続いています。

しかし「郵便料金が上がったのは知っているけれど、具体的にどう対策すればいいのか分からない」——そんな声を多くの企業担当者からいただきます。

値上げの影響は一度きりではありません。総務省が2024年に公表した試算でも、郵便事業の収支は2026年度以降に再び赤字へ転じ、その赤字幅は年々拡大していくと見込まれています。(※)
実際に2025〜2026年も値上げが相次いでおり、今後もさらなる料金改定が行われる可能性が高い状況です。

「値上げ前と同じやり方」を続ける限り、コスト増は止まりません。
本記事では、法人が今すぐ実行できる5つのコスト削減策と、2026年以降の構造的な備えまでを解説します。自社に合った対策を見つけていただければ幸いです。

※出典:総務省 情報通信審議会郵政政策部会「郵便事業を取り巻く経営環境等の変化を踏まえた郵便料金に係る制度の在り方」報告書(2024年)

郵便料金値上げの全体像|2024年改定のポイントを整理

まずは、2024年10月に実施された改定内容を法人視点で簡潔に振り返ります。

主な改定内容

主な料金変更は以下のとおりです。

種別

旧料金

新料金

値上げ幅

定形郵便(25g以内)

84円

110円

+31.0%

定形郵便(50g以内)

94円

110円

+17.0%

通常はがき

63円

85円

+34.9%

レターパックライト

370円

430円

+16.2%

レターパックプラス

520円

600円

+15.4%

速達(250g以内)

260円

300円

+15.4%

背景には、デジタル化の進展による郵便物数の減少(2001年度をピークに大きく減少)と、人件費・燃料費などの営業費用の増加があります。25gと50gの重量区分が統合されたことで、軽量の定形郵便物は実質31%の大幅値上げとなりました。

※注意※
この改定は2年前の出来事ですが、対策が不十分なまま放置している企業も少なくありません。さらに2025年〜2026年にかけて追加の値上げが相次いでおり、早急な見直しが必要です。

法人向け郵送コスト削減の具体策5選

ここからが本記事の核心です。「すぐできる順」に5つの対策を紹介します。

対策①|郵便割引制度の徹底活用

意外と知られていませんが、日本郵便には法人向けの割引制度が複数用意されています。

  •  割引例 
  • 広告郵便物割引:差出通数等の条件によって8〜43%の割引
  • 区分郵便物割引:2,000通以上の差出で1〜6%の割引
  • バーコード付郵便物割引:1,000通以上で3%の割引(他の割引に加算可能)

これらを組み合わせることで、大量発送する法人であれば値上げ後でも値上げ前より安くなるケースもあります。割引制度の詳細については、こちらのコラム「郵便料金の割引制度」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

対策②|発送方法の最適化

発送物の内容・重量・サイズに応じて、最適な発送方法を選ぶことも重要です。

  •  発送方法例 

発送方法

料金目安

適した用途

定形郵便

110円

請求書・通知書(信書)

ゆうメール

190円〜

カタログ・パンフレット(非信書)

レターパックライト

430円

契約書・厚みのある書類

レターパックプラス

600円

対面受取が必要な重要書類

ここで注意したいのが信書の判定です。
例えば、請求書や領収書は「信書」に該当するため、ゆうメールでは送れません。判定を誤ると郵便法違反となるリスクがあるため、発送物の仕分けは慎重に行う必要があります。
信書についてはこちらのコラム「信書の定義と具体例」で詳しく解説しています。

対策③|電子化への段階的移行

請求書・通知書・明細書などは、電子帳簿保存法にも対応した電子化が有効な選択肢です。
ただし、一気に全面電子化するのは現実的ではありません。段階的に移行し、電子化率50%を達成するだけでも郵送コストは半減します。
なお、電子化が難しい書類も存在します。法令で紙での交付が義務づけられている書類や、高齢者向けの通知など受取人側の事情で紙が必要なケースです。こうした書類は紙での発送を継続しつつ、電子化できるものから順に切り替えていくのが現実的なアプローチです。

  •  関連サービス 

対策④|ハイブリッド発送(紙×電子の自動振り分け)

全面電子化が難しい場合は、電子で送れる宛先には電子で、紙が必要な宛先には紙でと振り分ける「ハイブリッド発送」も有効です。
この振り分け対応も含めて、発送代行(BPO)に一括委託することで、自社の業務負荷を増やさずに実現できます。

対策⑤|発送代行(BPO)の活用

自社で封入封緘・発送作業を行うコストと、発送代行に委託するコストを比較してみてください。発送代行には以下のようなメリットがあります。

  • スケールメリットによる郵便料金の低減(特別運賃契約)
  • 封入封緘の人件費削減
  • 割引制度の申請・運用を代行
  • 繁閑差への柔軟な対応

発送代行を比較検討する際は、料金表の安さだけでなく、以下の観点で見極めると失敗が少なくなります。

  •  発送代行(BPO)を選ぶ際のチェックポイント 

発送代行(BPO)を選ぶ際のチェックポイント

  • 発送ボリュームに応じた特別運賃契約があるか
    (スケールメリットを価格に還元できるか)
  • 割引制度の申請・運用まで代行してくれるか
  • 信書判定など、発送方法の最適化に関する専門知識があるか
  • 企画・印刷から発送までワンストップで任せられるか
    (工程ごとに業者が分かれると管理コストが増える)
  • 繁閑差や急な物量増にも柔軟に対応できる体制か

これらを満たすパートナーであれば、値上げが続く環境でもコストを抑えながら安定した発送業務を維持できます。

なお、アテナでは年間1.5億通超の発送実績をもとに、日本郵便との特別運賃契約を活用したコスト最適化に対応しています。企画・デザインから印刷・封入・発送までワンストップで手がけ、信書判定の専門知識で発送方法の最適化もサポートしています。

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法人が受けるコストインパクトを試算する

「自社にどれくらい影響があるのか」を把握するために、定形郵便(25g以内)を基準にした年間コスト増のシミュレーションを見てみましょう。

月間発送数別の年間コスト増シミュレーション

月間発送数

年間発送数

旧年間コスト

新年間コスト

年間コスト増

1,000通

12,000通

1,008,000円

1,320,000円

+312,000円

5,000通

60,000通

5,040,000円

6,600,000円

+1,560,000円

10,000通

120,000通

10,080,000円

13,200,000円

+3,120,000円

50,000通

600,000通

50,400,000円

66,000,000円

+15,600,000円

※旧単価:84円/新単価:110円

月5,000通の企業で年間約156万円のコスト増は、決して無視できない金額です。

「見えないコスト」も含めたTCOで把握する

郵便料金だけに目を向けがちですが、実際の郵送業務には封入封緘の人件費、印刷費、宛名データの管理費なども含まれます。
まずは自社の月間発送数と発送物の種類を棚卸しし、TCO(総保有コスト)の全体像を把握することが全体最適な対策を立てる上で重要です。

※TCO(総保有コスト):Total Cost of Ownershipの略。ある業務にかかるすべてのコストを合算した総額を指します。郵送業務では、郵便料金だけでなく封入封緘の人件費・印刷費・データ管理費などが含まれます。

2026年以降に備える|さらなる値上げリスクと構造的対策

2024年10月の値上げは「始まり」に過ぎません。すでに追加の値上げが実施されており、今後も続く見通しです。

ゆうメール改定と発送方法の見直し

2025年11月1日から、ゆうメールの基本運賃が改定されました。
150gまでが180円→190円、250gまでが215円→230円、500gまでが310円→320円、1kgまでが360円→380円と、10〜20円の値上げです。

「定形郵便が値上がりしたからゆうメールに切り替える」という対策を検討する企業も増えていますが、ゆうメール自体も値上げが進んでおり、自社で単純に切り替えるだけでは期待ほどのコスト削減にならないケースもあります。
ただし、DM発送の代行を手がける事業者は、大量の発送を取りまとめることで通常よりも有利な条件で発送できる仕組みを持っていることが多く、自社で個別に出すよりもコストを抑えられる場合があります。値上げ局面だからこそ、発送方法だけでなく「誰が発送するか」という視点でコストを見直してみることも有効な選択肢です。

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郵便法改正と料金改定の柔軟化

政府は郵便料金をめぐる規制を見直す郵便法改正案を閣議決定しており、封書料金の改定手続きを簡素化する方向で議論が進んでいます。これが実現すれば、日本郵便が経営環境に応じてより柔軟に料金を改定できるようになります。総務省の試算では、2026年度以降の郵便事業は再び赤字に転じる見込みであり、今後も段階的な値上げが続く可能性は高いと考えられます。

継続的コスト増に耐える「仕組み」の構築

値上げのたびに対策を考えるのではなく、構造的にコストを抑える仕組みを構築することが重要です。

  • 発送方法の最適化:信書有無など発送条件に応じた最安手段の選択
  • 電子化率の継続的向上:年次目標を設定し、段階的に引き上げ
  • 発送代行パートナーとの長期的関係構築:ボリュームディスカウントと業務改善の継続

「人を増やさずに業務が回る仕組み」を今のうちに整えておくことが、将来のコスト増に対する最大の備えとなります。

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まとめ|5つの対策チェックリストと次のアクション

2024年10月の郵便料金値上げは、法人の郵送コストに年間数十万〜数百万円単位のインパクトを与えています。さらに2025年〜2026年にかけてゆうメール・大口特約の値上げも相次ぎ、一時的な対策では追いつかない状況です。

まずは以下のチェックリストで、自社の対策状況を確認してみてください。

  •  郵送コスト削減セルフチェック 

以下の5項目に「はい/いいえ」でお答えください。

  • 郵便割引制度(広告郵便物・区分郵便物・バーコード)を活用しているか
  • 発送物ごとに最適な発送方法(ゆうメール・レターパック等)を選択しているか
  • 電子化できる書類を洗い出し、段階的移行計画を立てているか
  • 紙×電子のハイブリッド発送を検討しているか
  • 発送代行(BPO)によるスケールメリット・業務効率化を検討しているか

▼判定

  • 「いいえ」が0〜1個
    コスト最適化はかなり進んでいます。今後も値上げが続く見通しのため、年1回を目安に発送方法と電子化率を見直しましょう。
  • 「いいえ」が2個
    対策に取りこぼしがあります。値上げの影響を受けやすい状態なので、優先度の高い項目(割引制度・発送方法の最適化)から着手するのがおすすめです。
  • 「いいえ」が3個以上
    値上げの影響をそのまま受けている可能性が高い状態です。自社内の工夫だけでは限界があるため、発送代行(BPO)の活用を含めた抜本的な見直しを検討しましょう。

「いいえ」が多い場合こそ、コスト削減の伸びしろです。
まずは現状の発送状況(月間発送数・発送物の種類・現在の発送方法)を棚卸しすることから始めてみてください。

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アテナは年間1.5億通超の発送実績をもとに、郵便料金のコスト診断から、割引制度の活用・信書判定を踏まえた発送方法の最適化までをワンストップでご支援しています。
「自社の郵送コストにまだ削減余地があるか知りたい」という段階からぜひ一度ご相談ください。

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株式会社アテナは、DM発送・コンタクトサービス・ロジスティクス・プリント・DX推進など、7つのサービスを組み合わせた独自のソリューションを提供する総合BPO企業です。 「お客様の業務課題を解決すること」を使命とし、業務の効率化・品質向上・コスト削減を支援。多様な業界・業務に対応した柔軟なサービス設計で、企業・自治体・官公庁など幅広いお客様の課題に寄り添い、最適なアウトソーシングを実現しています。

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