知っておくべき「信書」の定義と具体例。DM発送時の注意点とは?
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.信書の定義とは
- 3.信書に該当する書類とは?
- 3.1.信書に該当する文書
- 3.2.信書に該当しない文書
- 4.信書に該当する表現とは?
- 4.1.「文章に受取人が記載されている」
- 4.2.「特定の受取人に差し出す主旨が明らかな文言が記載されている」
- 4.3.「商品の購入等の利用があることを示す文言が記載されている」
- 4.4.「契約等、差出人と特定の関係にある者へ意志の表示がされている」
- 5.信書とダイレクトメール(DM)
- 6.まとめ
はじめに
ダイレクトメール(DM)を発送したい時、「この書類は信書に該当する」「信書に該当するから、ゆうメールは使えない」等の問題に直面することがあります。しかし、「信書」という言葉の具体的な意味については、理解が十分でない方も多いと思います。
DMをなるべく安く発送したいけど、「信書に該当するの?」「どんな方法で送れるの?」等、本記事では、信書の基本的な定義から差出時の注意点まで詳しく解説します。
DM発送を最適なコストで行う為には、信書に該当するかどうかの判断基準や、適切な発送手段について正しく理解することが重要です。
信書の定義とは
信書とは「法令に基づいた特定の文書」を指し、郵便法、及び、信書便法では「特定の受取人に対して、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と規定されています。
-
特定の受取人
:差出人がその意思又は事実の通知を受ける者として特に定めた者
-
差出人の意思を表示し、又は事実を通知する
:差出人の考えや思いを表現し、又は現実に起こり、もしくは存在する事柄等の事実を伝えること
- 文書
:文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のこと(CD、DVD等は中に入っている情報を人の知覚によって認識することができないものであり、「文書」では無い為当てはまらない
定義だけでは実際にどんな書類を指しているのかイメージがしにくいかもしれません。
それでは具体的に 「どのような文書が信書に該当するのか」、「どのような表現が信書とみなされるのか」について詳しく説明していきます。
信書に該当する書類とは?
信書に該当する文書
- 書状
-
請求書の類
(例)納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、◇レセプト、◇推薦
書、◇注文書、◇確定申告書、◇給与支払報告書 -
会議招集通知の類
(例)結婚式等の招待状、業務を報告する文書 -
許可書の類
(例)免許証、認定書、表彰状 -
証明書の類
(例)印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し、◇健康保険証、◇登
記簿謄本、◇車検証、◇履歴書、◇給与支払明細書、◇保険証券、◇振込
証明書、◇健康診断結果通知書・消防設備点検表・調査報告書・商品の品
質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書 -
ダイレクトメール(文書自体に受取人が記載されている文書)
※ ◇印は個々の相談において判断された事例
※参考:総務省|信書便事業|信書のガイドライン (soumu.go.jp)
信書に該当しない文書
書籍の類
(例)新聞、雑誌、会報、手帳、カレンダー、ポスター、◇講習会配布資料、◇
作文、◇研究論文、◇裁判記録、◇図面- カタログ
-
小切手の類
(例)手形、株券、◇為替証書 -
プリペイドカードの類
(例)商品券、図書券、◇プリントアウトした電子チケット
-
乗車券の類
(例)航空券、定期券、入場券
-
クレジットカードの類
(例)キャッシュカード、ローンカード
-
会員カードの類
(例)入会証、ポイントカード、マイレージカード
-
ダイレクトメール
(例)街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシ・パンフ
レット・リーフレットのようなもの -
その他
(例)◇説明書、◇求人票、◇配送伝票、◇名刺、◇パスポート、◇振込用紙、
◇出勤簿、◇ナンバープレート
※ ◇印は個々の相談において判断された事例
※参考:総務省|信書便事業|信書のガイドライン (soumu.go.jp)
信書に該当する表現とは?
先述のように書類の種類によって明確なものは分かりやすいのですが、文章中の表現によっても該当有無が異なり、判断が難しいのが信書です。
定義にあった「特定の受取人」に対して、「差出人の意思を表示」し、又は「事実を通知」する文書に該当するか否かは、送付する文章のわずかな表現の違いにより判断が異なることがあります。
ここからは信書とみなされる言葉や文章について詳しく見ていきます。
「文章に受取人が記載されている」
他にも「〇〇をご利用の方」、「〇〇会員の皆様」、「〇〇購読者の皆様」などといった文言が含まれている場合、受取人を特定していることになり、信書として扱われることが多くあります。
「特定の受取人に差し出す主旨が明らかな文言が記載されている」
誕生日を迎える特定の受取人に対して、商品の割引をするという差出人の意志を表示していることになる為、信書に該当します。
「商品の購入等の利用があることを示す文言が記載されている」
商品を購入した顧客という特定の受取人に対して、購入したという事実を通知する文書と判断される為、信書に該当します。
「契約等、差出人と特定の関係にある者へ意志の表示がされている」
会員という契約がある特定の受取人に対して有効期限が切れている事実を通知し、継続してほしいという意志を表示している為、信書に該当します。
他にも「車検満了に伴う割引の通知」や「会員カードのポイント通知と割引案内」等も同じく信書とみなされます。
このように、文章中の細かい表現の違いによって定義に当てはまるかどうかが異なるのが信書です。DM発送時は文章の内容を検討する段階から留意する必要があります。
信書とダイレクトメール(DM)
DMの内容
マーケティング手法の1つでもあるダイレクトメールは、商品の訴求やキャンペーンの告知、会員に向けた案内等、伝えたい内容が多岐に渡ります。
例えば、マーケティングとしての効果を高める為に、受取人を特定する表現を用いることもあるかもしれませんが、そのような表記を使用する際は先述のように十分な注意が必要です。
内容だけでなく送付時の状況によっても、信書とみなされるか否かが異なる為、郵送に際しては内容を十分に確認し、文章を精査しなければなりません。
※DM発送とマーケティングについてはこちらのコラムでご説明しています
DMの送付方法
信書を取り扱う際には、郵便法という法律が適用されます。日本郵便株式会社が信書を扱う専門機関で、その他の個人や企業が信書便事業を行うためには総務省の認可が必要です。不法に信書を送ることは法律で禁止されており、違反した場合は罰則が科せられるケースもあります。したがって、信書に該当するDMを発送する際には必ず正規の方法を用いることが求められます。
なお、日本郵便の下記のサービスでは信書を送付することはできません。
・ゆうパック
・ゆうメール
・ゆうパケット
・クリックポスト
「ゆうメール」は書籍やパンフレットなどの軽い印刷物を送る際に利用されるサービスで、安価なダイレクトメールの発送に最適ですが、信書を送ることはできません。
※ゆうメールについてはこちらで詳しくご説明しています
ただし、先述の通り文章内の表現によっては信書への該当有無が異なる為、文章中の文言を一部変更することで信書に該当しない形で郵送出来る場合があります。
しかし、曖昧な信書の該当有無を自社で判断するのはリスクがある為、内容の精査から日本郵便への確認、発送までを発送代行会社にトータルで依頼することをおすすめします。
多数のDMを取り扱っている発送代行会社であれば、信書への知見を活かしたアドバイスを行うことが出来るでしょう。
まとめ
信書とは何か、その判断基準や基本的なルールについてご説明してきましたが、取り扱いには細心の注意が必要です。DMの発送を検討する際には、発送代行会社への依頼が最適です。
「DMを送りたいけれど信書に該当するのか分からない」「最適な郵送方法を教えてほしい」等、DM発送に関する疑問点やご不安点がございましたら是非お気軽にご相談ください。
仮に送付物の内容に信書性があり、ゆうメールでの送付が不可と判断された場合も、
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※各種郵便割引についてはこちらで詳しくご説明しています
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