
物価高騰にどう備える?「重点支援地方交付金」活用による住民支援策
近年、食料品や電気、ガスといった生活必需品の価格が高騰し、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしています。こうした物価高騰は、個人の暮らしだけでなく、地域経済全体にも波及する大きな課題です。
そんな中、物価高騰の影響を受ける住民や地域経済を支えるための重要な財源となっているのが、令和5年11月に創設された「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」です。
本記事では、この交付金の趣旨を再確認するとともに、実際の施策例を通じて、地域における活用のヒントになる情報をご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.「重点支援地方交付金」制度創設の背景と目的
- 2.交付金の活用方法
- 3.自治体による物価高騰対策の具体事例
- 4.民間企業との連携による施策推進
- 4.1.設計:要件整理と予算把握
- 4.2.運用:業務委託による効率化
- 5.まとめ
「重点支援地方交付金」制度創設の背景と目的
近年の物価高騰は、住民のみならず地域経済全体にも深刻な影響を及ぼしています。
こうした状況を受けて、地方公共団体が住民への補助金支給など、地域の実情に応じた必要な事業を実施出来るようにするため、令和5年11月に創設されたのが「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」です。
※物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金 | 地方創生推進事務局
目的
この交付金は各地域の実情に応じた柔軟な対応と、持続可能な地方創生の推進を目的としており、具体的には以下のような役割を担っています。
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物価高騰による生活者・事業者の負担軽減
電気・ガス・食料品などの価格上昇に対応するため、特に影響を受けやすい低所得世帯や中小企業を支援。 -
地域の実情に応じた柔軟な支援
各自治体が地域のニーズに合わせて支援策を設計・実施出来るようにする。 -
地方創生の推進
単なる一時的な支援にとどまらず、地域経済の活性化や脱炭素化など、将来を見据えた取り組みを後押し。
予算
本交付金には、令和5年~令和7年にかけて、4兆5,254億円の予算が計上されています。
初年度である令和5年度には 「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の中で、物価高騰の影響を最も受けやすい低所得世帯に対する直接的な支援を目的とした「低所得世帯支援枠」が設けられました。
令和6年度以降このように明確な枠組みは設定されていませんが、各自治体は全体の予算内で柔軟に活用することが出来るようになっています。
交付金の活用方法
本交付金の大きな特長は自治体がそれぞれ地域の課題やニーズに応じて自由に活用出来る点にあります。
内閣府は「重点支援地方交付金」の活用方法として、以下の通り「推奨事業メニュー」を公開しており、人口や世帯の特長、策定している事業計画等に応じて、各自治体に適した施策を検討することが可能です。
例えば、脱炭素化に向けた地球温暖化対策に力を入れている市区町村であれば、住民が古いエアコンや冷蔵庫を省エネ性能の高い製品に買い替える際に補助金を支給する施策などが考えられます。
これにより、年間の電気代とCO2排出量の削減を同時に実現することが出来、家計の負担を軽減するだけでなく、環境負荷の低減にも繋がります。
このように、事業計画と連携した施策の検討が重要です。
自治体による物価高騰対策の具体事例
下記のように、各自治体は推奨事業メニューを基に様々な施策に取り組んでいます。
※「物価高騰対策|省エネ家電補助金申請事務局 」についてはこちら
エネルギー・食料品価格等の物価高騰に伴う子育て世帯支援
省エネ家電等への買い換え促進による生活者支援
- 神奈川県伊勢原市
福岡県行橋市
次世代自動車等導入補助金 - 行橋市ホームページ
消費下支え等を通じた生活者支援
東京都千代田区
千代田区暮らし応援ギフトカード事業東京都目黒区
めぐろデジタル商品券埼玉県新座市
新座市キャッシュレスキャンペーン
民間企業との連携による施策推進
設計:要件整理と予算把握
交付金を活用した施策の実施にあたっては、施策の要件整理や事前の予算把握が重要です。
類似施策の運用実績を持つ民間企業に事前相談や見積を依頼することで、必要となる業務内容や予算規模を具体的に把握することが可能になります。これにより、交付金をより効果的かつ効率的に活用することが出来ます。
さらに、企画段階から民間企業と連携することで、施策の実現可能性や実行性を高めることも期待出来ます。
運用:業務委託による効率化
施策の中でも、特に住民からの申請を受け付ける施策については、短期間で業務を立ち上げ、 住民への周知から申請受付・給付処理まで、多岐に渡る対応が必要となります。
さらに、給付を受けるにあたり先着順などの条件がある場合、施策内における予算管理も大変重要です。
人的リソースが限られている自治体にとって、これらの業務を既存業務と並行して進めることは難しいでしょう。その為、実際の運用にあたっても業務委託の活用が効果的な選択肢となります。
専門業者に委託することで、複雑な事務処理が迅速かつ正確に行われ、住民は速やかに給付金を受け取ることが出来ます。また、職員の負担が軽減されることで、既存の行政サービスへの影響を最小限に抑えることが可能です。
委託先の選定にあたっては、過去の類似業務の実績や給付業務の実績、セキュリティ体制など、迅速且つ確実に業務を遂行出来る業者を選定することが重要です。
まとめ
「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」は物価高騰の影響から地域住民を守る為の貴重な財源です。自治体にとっては、地域の実情に即した施策を立案・実行する力がますます求められます。物価高騰という全国的な課題に対し、効果的な支援により住民を最大限サポートすることがこの制度の本来の目的を果たす鍵となります。
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