<事例あり>人が採れない時代に業務をどう回す?2030年問題に備えるBPO活用の考え方

<事例あり>人が採れない時代に業務をどう回す?2030年問題に備えるBPO活用の考え方

2030年問題により、企業はこれまで以上に「人が足りないこと」を前提とした事業運営を求められるようになります。
実際、2030年には日本全体で労働需要7,073万人に対し、労働供給は6,429万人にとどまり、644万人の人手不足が生じると推計されています。

こうした状況のなかで、採用強化やDX推進の必要性は広く認識されつつあります。
一方で、現場では「必要性はわかっていても、それを進めるリソース自体が足りない」という悩みを抱える企業も少なくありません。そこで、2030年問題への対応策として注目されているのが、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。
近年、国内のBPO市場は拡大を続けており、2024年度の市場規模は前年度比4.0%増の5兆786億5,000万円と推計されています。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査|矢野経済研究所

背景には、DXの推進、業務のデジタルシフト、生成AI活用の本格化に加え、官公庁・自治体におけるアウトソーシング需要の高まりがあります。BPOは単なる人手不足対策ではなく、業務プロセス全体の見直しや、限られた社内人材の再配置を支える現実的な選択肢として位置づけられるようになっています。

本記事では、「2030年問題で企業に起こる変化」を踏まえながら、BPOがどのように機能するのか、また具体的にどのような業務に活用しやすいのかを整理します。

なぜ今、BPOが注目されているのか

BPOとは、企業が内製で行っている業務プロセスの一部を、外部の専門事業者に委託する手法です。矢野経済研究所では、BPOを「システム運用管理業務、コンタクトセンターやヘルプデスク、フルフィルメント、人事・総務・経理、購買・調達、営業、コア部門単純業務、業界固有業務などを受託・代行するサービス」と定義しています。
つまり、単なる作業代行ではなく、企業の業務運営を支える仕組みとして活用されているのがBPOの特徴です。

BPO市場が拡大している背景には、企業が採用難や人件費上昇に直面するなかで、限られた経営資源をコア業務へ集中させようとしていることがあります。
特に近年は、人を介した業務とデジタル技術を組み合わせる「デジタルBPO」が需要拡大を牽引しており、効率化・迅速化・省力化・品質向上の観点から注目を集めています。
さらに、民間企業だけでなく、官公庁・自治体においてもアウトソーシング機運は高まっています。
新型コロナ関連業務の受託を通じて官公庁・自治体との接点が広がったことに加え、職員数の制約や住民ニーズの多様化を背景に、外部リソース活用の必要性が増しているためです。
こうした動きは、BPOが一時的な代替策ではなく、今後も継続的に活用される運営手法であることを示しています

2030年問題による変化に、BPOはどう対応できるのか
事例と合わせてご紹介

前回の記事では、2030年問題によって企業が直面する変化として、採用競争の激化、技能継承と属人化リスクの拡大、少人数で業務を回す体制づくり、DX推進と人材不足といった課題を整理しました。
2030年問題とは?少子高齢化と人材不足が企業経営に与える影響と備え | 株式会社アテナ

本章では、前回取り上げた4つの変化に対して、BPOがどのように役立つのかを、当社のご支援実績にも触れながらご紹介します。

BPO

01

採用競争の激化への対応

2030年問題の影響として、まず多くの企業が直面するのが採用競争の激化です。
2030年には644万人の人手不足が見込まれており、企業は「必要な人材を必要なだけ採用する」ことが難しい環境に置かれていきます。求人を出しても人が集まりにくい、採用単価が上がる、採用しても定着しない――こうした課題は、今後ますます大きな経営課題となっていくでしょう。

このような状況に対して、BPOを活用することで、採用や育成のコストと時間をかけずに業務を担う人員を確保する選択肢が生まれます。社内でゼロから人材を採用・教育するのではなく、外部の専門事業者の体制を活用することで、欠員や人手不足による業務停滞を防ぎやすくなります。採用難への対処は「人を増やす」だけでなく、「必要な業務をどう回すか」という視点で考えることが重要です。

  •  関連事例 

従来は派遣スタッフを活用して業務を運営していましたが、職員による進行管理や調整業務の負担が大きく、庁内業務との両立が課題となっていました。
そこで、アウトソーシングによって運営体制を強化したことで、限られた職員数でも施策全体を円滑に進めやすい体制を実現されました。

BPO

02

技能継承と属人化リスクの拡大への対応

2030年問題では、人数不足だけでなく、ベテラン人材の退職による技能継承の難しさも大きな課題です。ノウハウや判断基準が特定の担当者に依存している企業では、異動や退職をきっかけに業務品質が不安定になりやすくなります。これは単に人が足りなくなるという話ではなく、「業務が継続しにくくなる」リスクでもあります。

BPOでは、業務の標準化・マニュアル化・システム化をセットで進めるケースが多く、ノウハウの外出しではなく、むしろ属人化解消の契機にもなります。業務の流れを見える化し、誰が対応しても一定品質で進められるように整えることで、継承しやすい体制をつくることができます。属人化の解消は社内だけで進めるには工数がかかりますが、外部の視点を入れることで業務整理が進み、前進しやすくなるケースも少なくありません。

  •  関連事例 

業務マニュアルの整備や運用窓口の一本化を進めたことで、属人化を防ぎながらメール室業務を安定運用できる体制を構築されました。

BPO

03

少人数で業務を回す体制づくりへの対応

今後の企業運営では、「従来と同じ人数がいる前提」で業務を設計すること自体が難しくなります。人が減っても、問い合わせ対応や申込受付などの各種事務処理などの業務量が自然に減るわけではないため、少人数で業務を回せる体制づくりが必要になります。これは単なる効率化ではなく、事業継続の観点からも重要なテーマです。

こうした課題に対しては、定型業務や繁閑差の大きい業務をBPOに切り出すことで、社員の負担を軽減し、付加価値の高いコア業務に集中させることができます。
すべてを外部に委託する必要はありませんが、社内で担うべき業務と、外部活用したほうが効率的な業務を切り分けることで、限られた人員でも安定して業務を回しやすくなります。

  •  関連事例 

発送業務を内製から外部委託へ切り替えたことで、業務負荷を軽減し、データ精度の向上や品質管理、制度見直しなど、コア業務である株主還元にむけた制度検討に充てられるようになった。

BPO

04

DX推進と人材不足への対応

人手不足を補う手段として、DXや自動化は今後ますます重要になります。
一方で、DXを推進する人材そのものが不足しているため、ツールを導入しただけで運用が止まってしまう企業も少なくありません。
その点、デジタルBPOを活用すれば、DX推進の担い手が社内にいなくても、人とシステムを組み合わせた業務運用を外部に委ねることが可能です。DXを「システム導入」で終わらせず、実際の運用まで含めて進める手段として、デジタルBPOは有力な選択肢になりつつあります。

  •  関連事例 

与信審査に必要な情報をシステム上で一元管理し、入力工程をシステム化することで、少人数でも回る審査体制を構築。人が担うべき判断業務に集中できる環境を整え、業務効率と品質の両立を実現しました。

\BPOをご検討の方のご相談はこちらから/

株式会社アテナへのお問い合わせはこちら

BPOが活用しやすい業務とは

BPOが特に活用しやすいのは、入力・確認・照合作業、受発注処理、各種申請・申込受付、事務局運営、DM発送・ロジスティクス対応、問い合わせ対応など、定型性が高く、件数や業務量の変動が大きい業務です。
こうした業務は、一定のルールや手順に基づいて進めやすい一方で、繁忙期や制度変更、キャンペーン時などに業務量が急増しやすく、社内だけで吸収し続けることが難しい領域でもあります。

BPOと文字が書かれた写真

矢野経済研究所の定義でも、BPOにはコンタクトセンター、ヘルプデスク、フルフィルメント、人事・総務・経理などが含まれており、定型・バックオフィス・受付系業務との親和性が高いことが分かります。

定型性が高く、手順を整理しやすい業務

BPOが活用しやすい業務のひとつは、手順が明確で、一定のルールに沿って進めやすい業務です。たとえば、入力・確認・照合作業、受発注処理、各種申請・申込受付などは、業務フローを整理しやすく、標準化との相性も良い領域です。
こうした業務は社内で毎日発生する一方で、コア業務を担う人材の時間を圧迫しやすい傾向があります。

繁閑差が大きく、社内で波を吸収しにくい業務

BPOは、業務量の波が大きい業務とも相性が良い手法です。
キャンペーンや制度改定に伴う申請受付、短期集中型の事務局運営、季節要因で件数が増減する発送業務などは、平時の体制だけでは対応しきれないことがあります。こうした業務を外部活用することで、繁忙期だけ社内負荷が急増する状態を避けやすくなります。

問い合わせ・窓口など、件数変動の大きい業務

問い合わせ対応や窓口業務も、BPOが活用しやすい代表的な領域です。コンタクトセンターやヘルプデスク、問い合わせ窓口などは、件数の増減が大きく、対応品質も求められるため、社内だけで安定運営を続けることが難しい場合があります。
BPO市場の定義にもコンタクトセンター、ヘルプデスクは主要領域として含まれており、件数変動の大きい対外対応業務との親和性が高いことがうかがえます。

複数工程にまたがり、社内調整コストがかかる業務

事務局運営やDM発送・ロジスティクス対応のように、受付、入力、確認、発送、問い合わせ対応など複数の工程が連動する業務も、BPOの活用効果が出やすい領域です。こうした業務は単一工程だけでなく、前後工程の連携や社内調整に負荷がかかりやすく、結果として担当者依存や属人的な運営になりやすい傾向があります。工程全体を見渡しながら整理できる点は、BPO活用の大きな価値の一つです。

BPO導入を考える際に押さえたい視点

BPOを検討する際は、まず社内で担うべきコア業務と、外部活用したほうが安定運営しやすい業務を切り分けることが重要です。特に、止められない業務、繁閑差が大きい業務、属人化が進んでいる業務から整理していくと、導入効果が見えやすくなります。

さらに、BPOは「外注コスト」としてだけ捉えるべきものではありません。採用、育成、管理にかかる時間や間接コストまで含めて考えると、専門事業者に任せることで、自社で対応するよりも効率的且つコストを抑えた運用につながります。
今後は、BPOを新たなコストとしてではなく、自社人件費の一部を置き換えながら、限られた社内人材をより重要な業務へ再配置するための手段として捉える視点が求められます。

最近では、人とデジタルを組み合わせた運用改善を前提とするBPOも増えており、単なる業務委託先ではなく、業務全体の最適化を支える「業務設計のパートナー」として位置づける考え方が広がっています。

まとめ|2030年問題に備えるうえで、BPOは有効な選択肢の一つになる

2030年問題によって、企業は採用競争の激化、技能継承と属人化リスクの拡大、少人数で業務を回す体制づくり、DX推進と人材不足といった複合的な課題に直面します。
こうした状況では、採用だけに頼らず、業務そのものの進め方を見直すことが不可欠です。BPOは、その見直しを現実的に進めるための有効な選択肢の一つといえるでしょう。
実際に、国内BPO市場は年々拡大しており、単なる人手不足の穴埋めではなく、業務の標準化、品質安定、社内人材の再配置、そして業務プロセス全体の最適化を支える手段として存在感を高めています。

2030年問題に備えるうえで、自社だけで抱え込まず、外部の力をどう活かすかを考えることが、これからの事業継続力を左右する重要な視点になります。
株式会社アテナでは、事務局運営、問い合わせ対応、発送・ロジスティクス、データ処理、バックオフィス支援など、多様な業務機能を組み合わせながら、企業の業務効率化と安定運営をご支援しています。

ひらめく男性のアイコン

「外部委託にあたっての予算感が知りたい」
「どんな業務がアウトソーシングできるか知りたい」

人手不足時代における業務体制の見直しや、外部活用の可能性についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

株式会社アテナへのお問い合わせはこちら
株式会社アテナ
株式会社アテナ
株式会社アテナは、DM発送・コンタクトサービス・ロジスティクス・プリント・DX推進など、7つのサービスを組み合わせた独自のソリューションを提供する総合BPO企業です。 「お客様の業務課題を解決すること」を使命とし、業務の効率化・品質向上・コスト削減を支援。多様な業界・業務に対応した柔軟なサービス設計で、企業・自治体・官公庁など幅広いお客様の課題に寄り添い、最適なアウトソーシングを実現しています。
  • 関連ソリューション

この記事を読んで、より詳しく知りたい方へ
<お問い合わせフォーム>

個人情報の取扱いについて|株式会社アテナ (atena.co.jp)

こちらから《個人情報の取扱いについて》をご確認いただき、同意の上、ご入力をいただきますようお願い申し上げます。

カテゴリ一覧

人気記事ランキング

特約ゆうメールのLPへ遷移するリンクバナー画像です