マーケティングファネルで成果を出す!紙DMがLTV向上に貢献する理由とは?

マーケティングの本質は、単なる「売る」ではなく、顧客との関係を築き、育て、長期的な価値を創出することにあります。
その中で、紙のダイレクトメール(DM)は、デジタル施策では届きにくい層へのアプローチや、信頼感・継続性のある接点づくりにおいて、今改めて注目されています。
本記事では、DMがマーケティングファネルの各ステージでどのように機能し、最終的にLTV(顧客生涯価値)の向上にどう貢献するのかを、具体的な理由とともに解説します。
※マーケティングファネルとは?
顧客が商品やサービスを「認知」し、「興味・関心」を持ち、「比較・検討」を経て「購入・継続」に至るまでの一連の行動を、段階的に整理したモデルのこと
目次[非表示]
- 1.DMの主要メリット
- 2.マーケティングファネルにおけるDMの役割:"認知~購入"まで紙だからこそできるアプローチ
- 2.1.認知(Awareness)
- 2.2.興味・関心(Interest)
- 2.3.比較・検討(Consideration)
- 2.4.購入・契約(Conversion)
- 2.5.関係維持・再購入(Retention)
- 3.DMがLTV(顧客生涯価値)に繋がる理由
- 3.1.信頼感の醸成
- 3.2.継続的な接点の創出
- 3.3.クロスセル・アップセルの促進
- 3.4.休眠顧客の掘り起こし
- 4.LTV向上のKPI例―DM施策の成果を測る指標
- 5.DMはLTV向上のための“設計”がカギ
- 6.まとめ:マーケティング戦略の中で再評価される紙DM
DMの主要メリット
まずは、なぜ今あえて紙のDMなのか——DMのメリットを確認しておきましょう。
以下のポイントを踏まえると、ファネル別の設計も具体化しやすくなります。
- 到達率・開封率の高さ・物理的にポストへ届くため、到達率は極めて高い・デジタル広告やメールよりも開封されやすい
- 視覚・触覚・臭覚への訴求・紙の質感・サイズ・加工(箔・エンボスなど)で体験価値を演出・視覚+触覚に加え、印刷物特有のインクの匂いによる臭覚刺激が、記憶定着や好意形成に寄与
- ターゲットの精度が高い・顧客データベースや購買履歴、地域情報等を活用し、属性ごとに送り分けが可能・差し込み印刷やメッセージのパーソナライズで反応率を向上
- 長期的な保存性・メールのように即時削除されにくく、机上・書類に一定期間残る
・後日の再想起・再行動を促しやすい
これら4つの強みは単体でも効果を発揮しますが、マーケティングファネルに沿って役割を分配し、各段階で狙いを明確にすることでその成果が最大化されます。
ここからは、マーケティングファネルの各ステージでDMが果たす役割を整理します。
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マーケティングファネルにおけるDMの役割
:"認知~購入"まで紙だからこそできるアプローチ
マーケティングファネルは、顧客が商品やサービスを知り、購入・継続に至るまでのプロセスを段階的に整理したものです。
DMのメリットはこのプロセスにおいてもデジタルでは届きにくい層にも確実にアプローチできる手段として活用できます。

以下のように、DMは潜在顧客の掘り起こしから、関係維持までをカバーできる施策であり、設計次第でファネル全体に貢献することが可能です。
STEP | 01 |
認知(Awareness)
「企業やサービスの存在を知ってもらう」
DMは、まだ接点のない潜在顧客に対して、企業やサービスの存在を知らせる“きっかけ”になります。特に紙DMは、デジタル広告では届きにくい層(高齢者層、紙文化の業界など)にもリーチできるのが強みです。
例:新規開業したクリニックや店舗が、周辺住民に向けて「開業のお知らせ」や「無料体験・相談会」の案内DMを送付
STEP | 02 |
興味・関心(Interest)
「課題に寄り添った内容で興味を喚起」
受け手の課題や関心に寄り添った内容を届けることで、「自分に関係があるかも」と感じてもらうきっかけになります。紙ならではの視覚・触覚への訴求も、記憶に残る要素として有効です。
例:通販企業が、季節に合わせた商品を紹介するDMを送付
STEP | 03 |
比較・検討(Consideration)
「他社との違いや導入メリットを伝える」
この段階では、受け手が複数の選択肢を比較している可能性が高いため、DMでは差別化ポイントや導入メリットを明確に伝えることが重要です。紙DMなら、情報量の多い提案も可能です。
例:カタログDMで、複数プランや料金体系を一覧で提示し、選びやすさを提供
STEP | 04 |
購入・契約(Conversion)
「行動を促すオファーを提示する」
購入や契約を促すには、背中を押す仕掛けが必要です。DMでは、クーポン、先着特典、無料体験などの限定オファーやキャンペーン情報を明確に打ち出すことで、行動を促すことができます。
例:「先着○名限定」「○月末までの特典付き」などのオファーを記載したDMを送付
STEP | 05 |
関係維持・再購入(Retention)
「継続利用や再購入を促進する」
DMは、購入後のフォローにも活用できます。定期的な接点を持つことで、顧客との関係性を維持し、再購入やアップセルにつなげることが可能です。
例:定期的に「ご利用ありがとうございます」のメッセージと、関連商品の案内を送付
DMがLTV(顧客生涯価値)に繋がる理由

LTV(顧客生涯価値)とは、1人の顧客が企業にもたらす利益の総額を指す指標です。
このLTVを高めるためには、単発の購入を促すだけでなく、顧客との継続的な関係構築と再購入・アップセルの機会創出が不可欠です。
DMはマーケティングファネルの各ステージにおいて、確実に届き、印象に残り、行動を促す有効な手段として活用できます。
そして、DMは単なる一回限りの販促ツールにとどまらず、顧客との継続的な接点を生み出すコミュニケーションツールとしても機能するため、結果的にLTV(顧客生涯価値)の向上にもつながります。
以下では、DMがLTVの向上にどのように貢献するのかを、具体的な観点から整理していきます。
信頼感の醸成
DMは、メールやSNSと違って“埋もれにくい”ため、定期的な接点を安定して維持できるのが強みです。
たとえば、季節の挨拶、キャンペーン案内、サービス更新情報などを定期的に紙で届けることで、顧客との関係を途切れさせずに継続できます。
紙のDMは、企業の誠実さや丁寧さを伝える手段として有効です。特に初回接点では、デジタル広告よりも信頼感を与えやすく、ブランドイメージの構築に貢献します。
継続的な接点の創出
DMは、購入後のフォローや定期的な情報提供に活用することで、顧客との関係を途切れさせずに維持できます。
たとえば、契約更新の案内、メンテナンス時期のお知らせ、関連商品の紹介などを定期的に送ることで、「気にかけてくれている」という印象を与え、再購入や継続利用の促進につながります。また、紙DMならではの保存性により、必要なタイミングで見返してもらえる可能性も高まります。
クロスセル・アップセルの促進
既存顧客に対して、関連サービスや上位プランを提案するDMは、顧客単価の向上に直結します。
紙媒体ならではの情報量と説得力で、検討のきっかけを自然に提供できます。また、クロスセル施策では「○○をご利用中の方へ」など、他商品との連携性や相乗効果を訴求するコピーが効果的です。
休眠顧客の掘り起こし
過去に取引があったが現在は離れている顧客に対して、DMは再接点のきっかけとして効果的です。
「以前ご利用いただいた方へ」「○○年ぶりのご案内です」など、特別感や限定性を打ち出したオファーは、再興味を引き出す有効な手段です。「今だけの再契約特典」「再購入で○○プレゼント」など、具体的なメリットを提示することで、行動のハードルを下げることもできます。
DMは、単なる販促ツールではなく、顧客との関係を“育てる”施策です。
一度きりの反応ではなく、長期的な関係性を前提とした設計をすることで、LTVを高め、企業の安定的な成長に貢献します。
LTV向上のKPI例―DM施策の成果を測る指標
LTV(顧客生涯価値)を高めるためには、DM施策の成果を定量的に把握することが重要です。以下のようなKPIを設定することで、施策の改善と最適化が可能になります。
再購入率:DM送付後の再購入件数や割合
・定期的なフォローDMが再購入を促進しているかを確認継続率:契約更新やサービス継続の割合
・更新案内DMやアップデート情報の送付が継続利用に貢献しているかを評価顧客単価:クロスセル・アップセル施策による単価
・関連商品や上位プランの提案DMが売上にどう影響しているかを分析紹介率:DM経由での紹介・口コミの発生件数
・紙DMに紹介特典や事例紹介を添えることで、紹介行動を促進休眠顧客の復帰率:過去顧客への再接点DMによる復帰件数
・特別感や限定性のある提案が復帰につながっているかを確認
DMはLTV向上のための“設計”がカギ
ここまで見てきたように、DMはマーケティングファネルの各ステージで活用できるだけでなく、LTV(顧客生涯価値)を高めるための重要な施策でもあります。
しかし、成果を出すためには、ただ送るだけでは不十分。「誰に・いつ・何を・どう届けるか」を緻密に設計することが不可欠です。

DM設計の基本は「3W1H(Who:ターゲット)(When:タイミング)(What:オファー)(How:クリエイティブ)」の視点で整理できます。さらに、「5・2・2・1の法則」によって、これら4点のどこにリソースを重点的に配分すべきかが明確になります。
※DM設計の詳細については、以下のコラムで詳しく解説しています。
これらの要素を考慮してDMを設計することで、より効果的なマーケティング戦略としてDM施策を実施することが可能になります。
まとめ:マーケティング戦略の中で再評価される紙DM
デジタル施策が主流となる中で、紙のDMは「確実に届く」「印象に残る」「関係を育てる」という独自の価値を持っています。
顧客との関係を長期的に育てることが、マーケティングの成果を左右する時代において、紙DMは、デジタルでは届きにくい層へのアプローチや、信頼感・保存性の高さを活かした継続的な接点づくりにおいて、LTV(顧客生涯価値)向上に貢献する有力な手段です。
今こそ、DMの設計力と可能性を再評価し、顧客との関係性を長期的に設計するマーケティングへとシフトしてみませんか?

「効果のあるDM施策を実施したい」
「今送っているDMを改善したい・コストを抑えたい」
「施策実施にあたっての予算感が知りたい」
などの課題がございましたら是非お気軽にご相談ください。
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