<SaaS企業向け>
競合に差をつける!マーケティングファネル別・紙DM活用ガイド


競合に差をつける! SaaS企業向けマーケティングファネル別・紙DM活用ガイド

SaaSビジネスはオンライン中心のマーケティングが王道ですが、広告費の高騰やメール開封率の低下など「デジタル飽和」の壁に直面し、多くの企業が従来施策だけでは成果を出しにくくなっています。
競争が激化するいま、オフライン施策──とりわけ紙DM(ダイレクトメール)への注目が再び高まっています。本稿では、SaaS業界特有の課題を整理しつつ、紙DMのメリットと発送代行を活用した運用最適化のポイントをご紹介します。

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SaaS企業が抱える3つのマーケティング課題

SaaS市場の成長に伴い、競合の増加や顧客の情報リテラシー向上により、従来のマーケティング手法だけでは成果を出しづらくなってきています。特に、広告費の高騰や情報過多による反応率の低下、複雑化する意思決定プロセスなど、SaaS企業が直面する課題は多岐にわたります。ここでは、マーケティング活動において多くの企業が共通して抱える3つの主要な課題について整理します。

パソコンでメールを見ている女性の手元の写真

顧客獲得コストの上昇

広告費の高騰により、リスティング広告やSNS広告のクリック単価(CPC)や表示単価(CPM)は年々上昇しています。その結果、同じ数の見込み顧客を獲得するための費用が増え、限られた予算内で成果を出すのが難しくなっています。
特に、顧客獲得単価(CAC:Customer Acquisition Cost)が膨らむ一方で、顧客生涯価値(LTV:Lifetime Value)とのバランスが取りづらくなっており、マーケティングの費用対効果が低下する要因となっています。

デジタルチャネルの情報過多

メール、ウェビナー、SNS投稿、テレビCMなど、あらゆるチャネルで類似した情報が溢れており、ユーザーの関心を引くことがますます難しくなっています。「また似たような案内か」とスルーされるケースが増え、メールの平均閲読率は32.5%(※)と言われています。このように、情報が届いても“読まれない”という課題が顕在化しているのが現状です。
※一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査(2024)」資料より

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意思決定プロセスの複雑化

特に大規模法人を対象とするエンタープライズ領域では、購買に関わるステークホルダーが十数名に及ぶことも珍しくありません。部門横断での承認や予算調整に時間がかかり、検討期間が長期化する傾向があります。SaaS導入には、経営層・情報システム部門・現場担当など複数部門の合意が必要ですが、オンライン広告やメールではキーマン以外へのリーチが難しく、社内検討が途中で止まってしまうケースも多く見られます。

なぜいま紙DMなのか?──SaaS企業に効く4つの効果

デジタル施策が主流となる中で、紙DMを活用する企業が再び増えています。特にSaaS企業にとっては、デジタルでは届きにくい層へのアプローチや、意思決定プロセスの後押しにおいて、紙DMが有効な打ち手となり得ます。ここでは、紙DMが持つ4つの具体的な効果について紹介します。

圧倒的な開封率

紙DMは物理的に手元に届くため、「とりあえず開封して中身を見る」確率が高くなります。ポスト投函や手渡しによって視界に入りやすく、メールの平均閲読率が32.5%であるのに対して、DMは54.5%と言われています。
さらに、ロゴやキャッチコピーの印象が長く残ることで、ブランド認知の向上にも寄与します。

オンライン施策との相乗効果

QRコードや個別URLを紙DMに同封することで、LP(ランディングページ)への誘導から行動データの取得までを一気通貫で実現できます。取得したデータをCRMと連携させることで、リターゲティング広告やメール施策に活用でき、全体のCVRを底上げすることが可能です。

DMとEメールの閲覧状況比較の説明画像

※一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査(2024)」資料より株式会社アテナ作成

紙DMはEメールに比べて約1.7倍の閲読率を誇ります。データが示す通り、紙DMはメールよりも圧倒的に目に留まりやすく、その開封率・閲読率の高さが成果に直結します。

部門へ“一括到達”

宛先を個人にせず、部門名や役職を指定して送付することで、意思決定に関与する複数のステークホルダーに視覚的インパクトを与えられます。キーマン個人に閉じないアプローチが可能となり、社内での検討を促進する効果が期待できます。

信頼感・ブランド格上げ

厚手の紙や冊子の同封により、「資料を丁寧に作り込む、信頼できる会社」という印象を与えることができます。比較検討フェーズでは、こうした“質感”が差別化要素となり、デジタルでは演出しづらい信頼感を醸成します。

そして、SaaS企業のターゲットは、日々大量のメールや通知に追われています。そんな中で、手に取れる紙DMは、情報ノイズから離れた“静かな接点”を生み出します。紙の質感やデザインは、企業の誠意やこだわりを直感的に伝え、記憶に残る体験を提供します。デジタルが当たり前の時代だからこそ、アナログの温度感が心に響く──それが、いま紙DMが選ばれる理由です。

DMでつなぐ顧客体験──SaaSの購買プロセスにおける最適活用法

SaaSの購買プロセスは「認知→興味・関心→比較・検討→購入→再購入(リピート)」と段階的に進みます。
各フェーズで適切な情報を届けることで、顧客の理解と納得を深め、スムーズな意思決定を促すことが可能です。紙DMはその特性を活かし、フェーズごとに異なる役割を果たすことで、一貫した顧客体験の構築に貢献します。

マーケティングファネルの図解

※マーケティングにおけるDM戦略に関するコラムはこちら

STEP
01

認知フェーズ:ウェビナー・イベント招待DM

イベントやウェビナーの招待状を紙で送付することで、参加率の向上とデスク上での継続的な想起を両立。
オンライン告知と併用すれば、紙のパンフレットが手元に残り、ブランド認知の底上げにもつながります。

STEP
02

興味・関心フェーズ:無料トライアル誘導DM

休眠リードや資料ダウンロードのみでとどまっているリードに対して、消費者向け(to C)には「DM限定クーポン」を同封した紙DM、企業向け(to B)には「〇%オフキャンペーン」などの案内DMを送付。
郵送という強い視覚的インパクトにより、オンライン広告以上のCVR向上が期待できます。

STEP
03

比較・検討フェーズ:アップセル/クロスセルDM

既存顧客の利用状況に応じて、新機能紹介レターを差し込み印刷。ターゲットごとに訴求ポイントを変えることで顧客単価の拡大を図ります。デジタル通知では伝えきれない具体的な事例や図解も、紙面ならしっかりと訴求可能です。

STEP
04

購入フェーズ:解約防止・休眠顧客復活DM

利用停止から一定期間が経過した顧客に「再開特典」を郵送。メール単独施策と比較して再契約率が2倍に達する事例もあり、紙DMならではの“温度感”が機会損失の防止に効果を発揮します。

STEP
05

再購入(リピート)フェーズ:定期フォローDM

本契約後は、カスタマーサクセス事例やサポート情報を定期的に冊子で送付。利用継続への安心感を醸成し、LTV(顧客生涯価値)の向上に貢献します。

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効果を最大化するDM運用のポイント

紙DMの効果を最大限に引き出すには、単なる送付にとどまらず、戦略的な運用が欠かせません。ターゲティングからクリエイティブ、計測、タイミングまで、各要素を最適化することで、成果につながるDM施策が実現します。

ABM(Account Based Marketing)との連動

営業とマーケティングが連携し、ターゲット企業を絞り込んで少数精鋭の高品質なDMを送付。リード数ではなく商談化率を重視するアプローチで、効率的な成果創出を目指します。

クリエイティブの差別化

封筒の色やエンボス加工、事例小冊子の同封など、開封前から「気になる」仕掛けを施すことで、開封率と印象度を高めます。視覚的な工夫が、紙DMならではの強みです。

デジタル計測の仕組み化

個別QRコードや専用電話番号を活用し、レスポンスを可視化。CRMと自動連携することで、データドリブンな改善サイクルを回し、施策の精度を高めていきます。

定期発送スケジュールの設計

SaaSはサブスクリプション型のビジネスモデルのため、オンボーディング、更新時期、利用中の節目など、顧客ライフサイクルに沿って定期的にDMを投下することで、ロイヤルティの育成とLTV向上につながります。

こうした戦略的なDM運用を継続的に実現するためには、企画から発送までを一括で支援できるパートナーの存在が不可欠です。

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発送代行サービスを活用するメリット

紙DMの効果を最大化するには、企画だけでなく「届け方」も重要です。特にSaaS企業のように限られたリソースで高精度なマーケティングを求められる場合、発送業務を専門業者に委託することで、品質・コスト・スピードのすべてを最適化できます。ここでは、発送代行サービスを活用することで得られる主なメリットを紹介します。

①宛名印字〜封入・封緘〜発送までワンストップで外注可能

専門のオペレーション体制により、ヒューマンエラーを最小限に抑えながら、宛名印字・封入・封緘・発送までを一括で対応。社内担当者は企画や戦略立案に集中でき、業務効率が大幅に向上します。

②DMのデザイン制作

紙DMは「見た目の印象」が成果に直結します。発送代行サービスでは、印刷仕様に最適化されたデザイン制作や、ブランドイメージを反映したクリエイティブ提案も可能。マーケティング担当者は戦略に集中しながら、プロ品質のデザインを実現できます。

③ロット最適化によるコスト削減とROI改善

小ロットにはオンデマンド印刷、大量ロットにはオフセット印刷など、目的や予算に応じた最適な印刷方式を提案。さらに、郵便料金の割引制度を活用することで、発送コストの削減にもつながります。

④高度なパーソナライズ印刷

CRMデータと連携した差し込み印刷により、受け手ごとに最適化されたメッセージを届けることが可能。個別対応によって反応率が高まり、より精度の高いマーケティングが実現します。

⑤ABテストによる効果検証

複数パターンのDMを制作・発送し、反応率を比較するABテストにも対応。データに基づいた改善サイクルを回すことで、次回以降の施策精度を高め、ROIを継続的に向上させることができます。

⑥品質保証体制の整備

バーコード照合や重量検品など、多層的なチェック体制により誤封入を防止。PマークやISMS等の資格認証を取得している企業であれば、個人情報の取り扱いも安心です。

⑦セグメントリストの整備・クレンジング代行

宛先リストの整備や住所のクレンジングも代行可能。精度の高いターゲティングを支援し、無駄な発送を防ぐことで、コスト効率と成果の両立を図れます。

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まとめ:オフライン×オンラインのハイブリッド戦略でSaaS成長を加速

SaaS企業のマーケティングにおいて、紙DMはもはや“古い手法”ではありません。むしろ、デジタルチャネルが飽和した今だからこそ、紙DMは競合が手を付けていないブルーオーシャンとして再注目されています。キーマンのデスクに直接届く物理的な接点は、大量のメール通知に埋もれがちなオンライン施策を補完し、CVRや商談化率の向上に大きく貢献します。
最近では、TVCMで獲得済の市場を踏まえて、DMで新たな顧客を獲得したいというご相談も多数いただいています。
しかし、紙DMの運用には企画・制作・発送まで多くの専門工程が伴い、ノウハウと管理体制が不可欠です。マーケターが本来の戦略立案や分析といったコア業務に集中するためには、発送代行の活用が最適解となります。
オフラインとオンラインを統合したマーケティング基盤を整備することで、SaaSビジネスの成長スピードはさらに加速します。今こそ、紙DMを戦略的に取り入れたハイブリッド型マーケティングで、競争優位を築いていきましょう。

ひらめく男性のアイコン

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